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GFSIベンチマーキング要件への対応に向け、BRCGS規格が更新されました

BRCGSは、2026年8月10日以降に実施されるすべての審査を対象として、4つのGlobal Standardsに関するポジションステートメントを更新しました。

今回の更新では、Food Safety Issue 9、Packaging Materials Issue 7、Storage and Distribution Issue 4、Agents and Brokers Issue 3 が、Global Food Safety Initiative(GFSI)Benchmarking Requirements Version 2024 に整合する内容となっています。

これらの規格で認証を取得している組織は、改訂内容を早めに確認し、適用開始日までに必要な対応を完了しておくことが重要です。

何が変更され、なぜ更新されたのか

GFSIは、食品安全に関する科学的知見の進展や規制当局の期待、業界のベストプラクティスの変化を反映するため、ベンチマーキング要件を定期的に更新しています。BRCGS規格はGFSIのベンチマーキング対象となっているため、これらの要件への適合を実証する必要があります。今回公表されたポジションステートメントは、正式な規格改訂に先立ち、必要な条項レベルの変更を導入するための正式な仕組みとして位置付けられています。

今回の更新では、前提条件プログラム(PRP)の管理、フードディフェンスおよび脅威評価、製品不正に対する脆弱性評価、要員の責任、さらにFood Safety規格では保護衣に関する要求事項など、幅広い分野が対象となっています。また、複数の改訂では、脅威評価および脆弱性評価を担当するチームに対する力量要件が新たに明確化されました。これにより、単に手順を整備しているだけではなく、関連するリスクや評価の原則について十分な知識を有していることを示すことが求められます。

Food Safety Issue 9

今回の更新における新たな条項の変更は、**保護衣(Clause 7.4.2)**に関する1件のみです。今回の改訂では、製品汚染を防止するために必要な場合には、適切な保護用履物を着用することが明確に要求事項として追加されました。これは、既存の「あごひげ・口ひげを覆うためのヒゲネット(スヌード)」の着用要件に加えられるものです。

多くの認証取得組織では、すでに適切な保護用履物を運用上提供していると考えられますが、今回の改訂により、この要件が監査において確認される正式な要求事項として明文化されました。

認証取得組織は、現在の保護衣に関する方針を見直し、保護用履物の必要性についてリスク評価を実施するとともに、その内容を文書化し、一貫した運用が行われていることを確認することが推奨されます。

また、監査プロトコルに関する既存の3つのポジションステートメント(無通告監査における認証取得組織の責任、認証機関の変更、および初回監査の定義)については、本バージョンで文言の一部が修正されていますが、それぞれの趣旨や要求内容に変更はありません。

適用開始日:2026年8月10日

Packaging Materials Issue 7

今回、Packaging Materials Issue 7として初めてポジションステートメントが発行され、2つの条項が改訂されました。

サイトセキュリティおよび製品防御(Clause 4.4.1)では、脅威評価および製品防御計画に携わる要員が適切な教育・訓練を受けていることが明確に求められるようになりました。また、この要求事項はClause 6.1に規定されている教育・訓練の要件とも関連付けられています。

衛生管理および清掃(Clause 4.8.2)では、清掃に加えて消毒を考慮することが求められるようになったほか、製品の用途や作業内容に伴うリスクに基づき、清掃手順の妥当性確認(Validation)および検証(Verification)を実施することが要求事項として追加されました。また、規格の用語集には「消毒」の定義が新たに追加されています。

認証取得組織は、脅威評価チームについて、担当者の力量が文書化され、Clause 6.1の教育・訓練要件との関連が明確になっていることを確認する必要があります。また、清掃計画および清掃手順について見直しを行い、特に製品や工程のリスクが高い場合には、妥当性確認および検証の記録が適切に整備されていることを確認することが推奨されます。

適用開始日:2026年8月10日

Storage and Distribution Issue 4

今回公開されたポジションステートメント(Version 8)では、既存のポジションステートメントの一部について文言が修正されるとともに、GFSI Benchmarking Requirements Version 2024との整合を目的とした9件の新たなポジションステートメントが追加されました。

要員の役割と責任(Clause 1.3.2)では、要員が文書化されたサイト方針、手順書、作業指示書および既存の運用方法に従って業務を実施していることを示すことが求められます。また、すべての要員が必要な文書にアクセスできることも要求事項として追加されました。

前提条件プログラム(Clause 2.1)については要求事項が強化され、管理手段およびモニタリング手順を明確に文書化し、必要に応じて検証することが求められます。さらに、前提条件プログラムに関する情報を、危害分析・リスク評価(HARA)またはHACCPプランの策定および見直しに反映することが明確化されました。

サプライヤーおよび委託先の管理(Clauses 3.5.1.2および3.5.2.1)では、安全な取扱いに必要な場合、仕様書および契約書に化学的、微生物学的、物理的、またはアレルゲンに関する基準を明記しなければなりません。また、委託先との契約は、双方が署名した正式な契約書であることが求められます。

脆弱性評価(Clause 3.5.3.1)では、他のBRCGS規格と同様に力量要件が追加されました。脆弱性評価を担当する個人またはチームは、脆弱性評価の原則に加え、評価対象となる製品、サプライチェーンおよびプロセスに関連するリスクについて十分に理解していることが求められます。

セキュリティリスク評価(Clause 4.2.1)では、脅威評価を担当する要員がフードディフェンスの基本原則および保管・流通する製品に関する知識を有していることが求められるほか、法令で義務付けられている教育・訓練については、その受講を証明できることが必要となります。

設備(Clause 6.1)については、新たに設備の保管が要求事項の対象となりました。設備は汚染源とならないよう適切に保管しなければなりません。

清掃(Clause 6.4.5)では、清掃用具は衛生的な設計であることに加え、色分けなどにより適切に識別され、衛生的に清掃・保管されていることが求められます。

また、冷蔵、冷凍、テンパリングなどの契約業務を対象とするSection 17には、新たに**放射線照射(Irradiation)**が追加されました。これに伴い、条項タイトルおよびStatement of Intent(条項の意図)が改訂されるとともに、工程モニタリング(Clause 17.3)では、放射線照射がモニタリング対象の工程パラメータとして追加されました。

適用開始日:2026年8月10日(新たに追加された条項が対象。既存のポジションステートメントについては、それぞれ従来の適用開始日が引き続き適用されます。)

Agents and Brokers Issue 3

今回の改訂では、4件の新たなポジションステートメントが追加され、いずれも2026年8月10日から適用されます。

リスク分析(Clause 2.7)では、リスク分析を実施する前に、適切な前提条件プログラム(PRP)が整備されていることが新たに求められます。また、これらのプログラムに含まれる管理手段およびモニタリング手順については、文書化するとともに、必要に応じて検証を実施することが要求事項として追加されました。さらに、HARAまたはHACCPプランを策定・見直しする際には、前提条件プログラムに関する情報を考慮することが求められます。

この条項に付随する解釈ガイダンスでは、前提条件プログラムはHARAまたはHACCPプランの基盤となるものであり、特定されたそれぞれの前提条件について、意図した管理レベルを確実に達成するための体系的な管理プロセスを構築する必要があることが明確に示されています。

製品仕様書(Clause 3.6.1)については、安全な製品の使用に必要な場合、化学的、微生物学的、物理的、またはアレルゲンに関する基準を仕様書に含めることが新たに求められます。また、解釈ガイダンスでは、仕様書には少なくとも、原材料(アレルゲンを含む)、栄養成分情報、調理・調製方法、保管方法、保存期間、および内容量を記載しなければならないことが示されています。

脅威評価(Clause 4.3.1)および脆弱性評価(Clause 4.8.2)では、他のBRCGS規格と同様の力量要件が追加されました。これらの評価を担当する要員は、関連するリスクおよび評価の原則について十分な知識を有していることが求められ、法令で義務付けられている教育・訓練については、適切に実施されていなければなりません。

適用開始日:2026年8月10日

認証取得組織が対応すべき事項

これら4つの規格の認証を取得している組織は、2026年8月10日の適用開始日までに、以下の対応を進めることが推奨されます。

まず、BRCGSのWebサイトで公開されている該当するポジションステートメントを確認し、新たに追加または改訂された要求事項に対するギャップ分析を実施してください。特に、脅威評価および脆弱性評価を担当するチームに対する力量要件は、複数の規格に共通して新たに導入された重要な変更点であり、重点的な確認が必要です。

また、前提条件プログラムに関する文書、検証記録、およびHARAまたはHACCPプランとの関連付けについて見直しを行い、必要に応じて更新してください。あわせて、関連する手順書、教育・訓練記録および内部監査プログラムについても今回の改訂内容を反映し、監査準備計画に適用開始日を組み込んでいることを確認することが重要です。

2026年8月10日以降に実施される監査では、これらの更新後の要求事項に基づいて審査が行われます。

BRCGSの専門家にご相談ください

今回の改訂が貴社の認証にどのような影響を与えるのか、ご不明な点はございませんか。

LRQAは、これら4つのBRCGS規格すべてにおいて、多くの組織の認証を支援しています。今回の改訂が貴社の事業所、認証範囲および運用にどのような影響を及ぼすのかについて、実務的な観点からご支援いたします。

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