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【食品安全】セミナーレポート: FSSC 22000第5版 規格概要セミナー 東京会場

2019年5月にGFSIが承認する食品安全マネジメントシステム規格 FSSC 22000 第5版が発行されました。認証組織は2020年1月1日から12月31日までに第5版に移行する必要があります。こうした中、食品安全マネジメントシステムに取り組む企業でもFSSC 22000への関心が高まっています。そこで、LRQAでは、全国4地区で「FSSC 22000 第5版 規格概要 無料セミナー」を開催。東京会場では、注目の高さを示すかのように、100名を超える参加者が参加。熱気に包まれる中、セミナーがスタートしました。

 

FSSC 22000 ver5 セミナーの様子

 

セミナー第1部では、FSSC 22000 日本代理人を務めておられる湯川 剛一郎様がご登壇。「規格改訂の背景と経緯と、第5版改訂のポイント」について解説しました。第2部では、LRQA食品主任審査員 清水 佐衣子が、審査員の立場から「FSSC 22000 第5版への移行のご案内 」について解説しました。

 

第1部「規格改訂の背景と経緯と、第5版改訂のポイント」
講演者:FSSC 22000 日本代理人 湯川 剛一郎様
講演内容:
1. FSSC 22000財団について
2. FSSC 22000 Ver.5 開発の必要性
3. ISO 22000 改訂の背景
4. ISO 22000: 2018の要点
5. FSSC 22000 Ver.5 その他のポイント
6. FSSC 22000の認証組織数

FSSC 22000は頑健で効果的なFSMSの枠組みを提供

はじめに、湯川様よりFSSC 22000財団の特徴やFSSC 22000認証取得のメリットについて説明がありました。「FSSC 22000は、ISO規格に基づくGFSI承認規格である。国際規格をベースに組み立てられているため基準文書の透明性が高い。また、フードサプライチェーン上の全ての段階をカバーしている。FSSC本部の監査員が一定期間内にすべての認証機関を審査しており、スキームの信頼性が高い。各国の代理人による情報提供やスキーム改善の声がFSSC本体に伝わる仕組みがある。」など、優れた認証スキームであることが伝えられました。

FSSC 22000 第5版は、新しい ISO 22000: 2018に対応

続いて、2. FSSC 22000 Ver.5 開発の必要性、3. ISO 22000 改訂の背景について解説がありました。「ISO 22000: 2005年版からISO 22000: 2018年版への改訂は内容的には大きく変わらないが、マネジメントシステム規格の共通様式である上位構造(HLS)テンプレートがISOから公表され、既存のISOマネジメントシステム規格についても上位構造テンプレートに従う必要が生じた。上位構造テンプレートには、トップマネジメントに対する要求事項をまとめた『第5章 リーダーシップ』や、資源や要因の力量に関する要求事項をまとめた『第7章 支援』を中心にマネジメントシステムに必要とされる共通の要求事項が詳しく記述されており、ISO 22000: 2018年版もこれに沿って改訂された。」

リスクに基づく考え方では、機会(opportunity)への対応がポイント

4. ISO 22000: 2018の要点では、4.1リスクに基づく考え方について、機会への対応にフォーカスした解説がありました。「機会への対応に求められている姿勢として、『どうせやるなら、ついでに』の考え方を忘れないことが重要。改善する機会がある場合にはそれを追求していく。機会を捉えることにより、修正、是正処置による復旧にとどまるのではなく、新たなあるいは抜本的な対策を講ずることにより、システムの改善、即ち、安全性、生産性や品質面の改善の可能性追求を求めている。機会を見逃すと改善につながらない。機会は継続的改善と深く結びついている。」との説明が行われました。続いて4.3 「管理手段」に関する定義の整理、4.4 OPRPの定義の変更では、PRP、OPRP及びCCPの関係について詳しく解説がありました。

トップマネジメントの役割が明確になり重要性が高まる

4.8マネジメントレビューの重要性については、「トップマネジメントは食品安全マネジメントシステム(FSMS)の方針及び目標を確立し、何のために組織が食品安全マネジメントシステム構築に取り組むのかを明確化するとともに、トップマネジメントが組織における食品安全マネジメントシステム構築の原動力となることを求められる。機会への取り組みも含め、改善措置に対して決定を下すマネジメントレビューは、PDCAサイクルの「Act」の核心部分であり、かつ、トップマネジメントに責任を持たせる重要な工程であることが明確になった」とする解説がありました。

 

第2部「FSSC 22000 第5版への移行のご案内 」
講演者:LRQA食品主任審査員 清水 佐衣子
講演内容:FSSC 22000 第5版への移行について

LRQA食品主任審査員 清水 佐衣子が、審査員の立場から「FSSC 22000 第5版への移行のご案内 」について解説しました。

移行スケジュールについて

「FSSC 22000 第5版発行の主な理由は、ISO 22000: 2018規格の発行やGFSI要求事項への対応によるものです。ISO 22000: 2018は、2018年6月19日に発行され、認証組織は、発行日から3年となる2021年6月18日までに2018年版の規格に移行する必要がありますが、FSSC 22000第5版への移行については2020年1月1日から12月31日までに完了する必要があります。」

審査において確認するポイント

「ISO 22000: 2018規格では、リスクは運用レベルと組織レベルの2つのリスクレベルを区別しており、審査員は組織レベルのリスクについて改めてお話を伺うことになります。組織レベルにおけるリスクは、新たなアプローチであり、食品安全マネジメントシステム全体におけるリスクについて考えるよう求めています。このビジネスプロセス全体におけるリスクの想定は、様々な原因による望ましくない影響を防ぐことを目的としています。」

「組織の計画及び管理では、PDCAのPLAN部分に重きが置かれています。組織によってはこの部分に注力していない場合が見受けられますが、上位構造テンプレートの採用によりPLAN部分も改めて考えることになります。この部分は審査員がお話を伺うポイントになっていきます。」

「また、経営者の責任について、これまではトップインタビューとしてお話をお伺いするといった内容でしたが、今後は経営者の役割をどのように果たしているかを審査として、現場も確認させていただきながら規格の要求事項への適合性をしっかり見させていただくようになります。」

LRQAでは、現行規格とのギャップ審査サービスや、厚生労働省によるHACCP義務化に対するHACCP認証サービスの他、FSSC 22000関連研修やトップマネジメント研修など各種サービスを提供しておりますので、ぜひご活用ください。



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