Hamary Awazは、パキスタンの労働者権利専門の市民社会組織Baidarie、グローバルなビジネスリスクとサステナビリティソリューションのリーディングプロバイダーであるLRQA、およびサプライチェーンにおける効果的な苦情処理メカニズムの構築に特化した企業責任ソリューションの先駆者であるCahn Groupの3つのパートナーによる独自の連携プロジェクトです。
Hamary Awazは2023年6月に発足し、現在、シンド州とパンジャブ州の70の衣料品工場で実施されており、17万2,000人を超える労働者を対象としています。2025年4月30日現在、労働者から1,262件の苦情が寄せられており、未払い残業代、解雇手当の未払い、最低賃金の未払い、職場でのハラスメントなど、多様な問題が報告されています。
労働者の声と効果的な救済手段へのアクセスを強化するための継続的な取り組みの一環として、Hamary Awaz ヘルプラインは先日、ヘルプラインの加入者間で知識と経験を共有するためのブランド・ラウンドテーブルを開催しました。議論は、サプライヤーの苦情管理への取り組みを強化するためにブランドが果たせる役割、および苦情データを戦略的に活用して労働条件を改善する方法に焦点を当てました。議論の主なポイントは、以下の通りです。
1. 信頼の構築と関与の優先
ラウンドテーブルの最も重要な成果の一つは、効果的な苦情処理メカニズムの核心は信頼関係の構築にあるという認識でした。労働者が報復を恐れることなく苦情を申し立てられるような環境を構築するためには、サプライヤーの経営陣との信頼関係の構築が不可欠です。参加者は、サプライヤーとの定期的かつ一貫した関与の必要性を強調しました。プログラムの目的や内容、苦情の処理方法などに関する明確なコミュニケーションが求められています。
2. 監査を補完するための苦情データ活用
ラウンドテーブルでは、苦情データが従来の監査では見落としがちなリスクや問題を発見できることが明らかになりました。参加者は、このデータをどのように活用して「盲点」を特定し、監査アプローチを適応させて、より的を絞った効果的なリスク特定アプローチを実現できるかを議論しました。
3. 透明性と建設的な関与の促進
ラウンドテーブルで繰り返し話題になったのは、苦情をネガティブフィードバックとしてではなく、改善の機会として捉え直す必要性でした。参加者は、サプライヤーに労働者の声のデータの価値を理解してもらうことが、ビジネス慣行の改善と透明性および協力の文化の醸成に不可欠であることに同意しました。
4. サプライヤーへの有意義なサポートの提供
ラウンドテーブルでは、サプライヤーの支援を通じて必要な変更を実施することの重要性も強調されました。多くのサプライヤーは、企業の期待に答えるために財務面や運営面で課題に直面しており、十分な支援がなければ改善に苦労する可能性があります。参加者は、企業がサプライヤーに対して技術的支援や能力向上支援を提供する必要性を強調しました。
ブランドラウンドテーブルの議論では、苦情処理メカニズムがリスクを積極的に特定し、ブランドとサプライヤーが協力してこれらの課題を解決し、よりレジリエントで倫理的なサプライチェーンを構築する上で果たす重要な役割が強調されました。
Hamary Awaz ヘルプラインからのさらなる情報については、新たに開設した Hamary Awazサイト をご覧ください。このサイトは、データ、ケーススタディ、進捗状況の追跡など、さまざまな情報をご確認いただけるハブサイトの役割をしております。