デジタル化が進む世界において、研修の実施方法は急速に進化しています。バーチャル教室、AI を活用した学習プラットフォーム、インタラクティブなデジタルツールは、専門能力開発へのアクセスを根本から変革しています。
この技術革新の渦中においても、1つの真実は変わりません。それは、効果的な学習には人と人とのつながりが不可欠であるということです。LRQA のシニアトレーナーの 1 人であるラッセル・ブラウンに、テクノロジーによってトレーニングの提供方法が変わっても、学習者との個人レベルのつながりを維持することが、真のトレーニング効果をもたらす基盤である理由についてお話を伺いました。
「テクノロジーは学習を素晴らしい形でサポートすることができますが、その場を経験し、課題を理解し、学習を実際の経験に結びつけることができる人間の価値に取って代わることはできません」とラッセルは述べています。
効果的な学習に人的つながりが欠かせない理由
学習とは、情報を吸収することだけではありません。意味を理解し、問題を解決し、行動を変えることです。LinkedIn の「Learning Workplace Report」によると、学習者の 91% が、講師と直接やり取りすることで学習の成果が向上すると答えています。ラッセルは、このことを実体験から実感しています。「さまざまな業界で働いたことのある講師が、質問を聞き、実際の例を挙げて説明してくれるので、単にモジュールを順番にクリックしていくのとはまったく違う体験になります。」
ライブトレーニングでは、対面式でもオンライン式でも、学習者は質問を投げかけ、アイデアに異議を唱え、新しい知識を自分の役割に直接結びつける機会を得ることができます。この対話により、理解が深まり、真の行動変容が促進されます。
テクノロジーの役割
テクノロジーが現代の学習において重要な役割を果たしていることは疑いようがありません。オンライン配信は柔軟性、アクセス性、拡張性を可能にします。アンケート、グループディスカッションルーム、共有ホワイトボードなどのツールはデジタル教室を充実させます。
しかし、ラッセルが指摘するように、テクノロジーは人によるトレーニングを置き換えるものではなく、強化するものです。「優れたテクノロジーは、人とのつながりをより容易にするものであって、より困難にするものではありません。ツールは、相互作用を促進するために活用すべきであり、トレーニングを左右する存在にすべきではありません。」
LRQA では、講師が人間味のあるダイナミックで魅力的な学習環境を構築できるよう、テクノロジーへの投資を行っています。
視覚的ファシリテーションでつながりを可視化する
ラッセルが物理的な教室とオンライン教室のつながりを強化するために採用している手法のひとつが、視覚的ファシリテーションです。静的なスライドに頼るのではなく、手描きのビジュアル、議論のリアルタイムマッピング、対話型の図表を取り入れて学習を指導しています。「視覚的ファシリテーションは、私のトレーニングのやり方を一変させました。トレーニングを活気のあるものにし、さまざまな学習スタイルに対応し、情報をより記憶に残りやすいものにします」と説明しています。
『The Journal of Visual Literacy』に掲載された研究は、このアプローチを支持しており、視覚的な手法はテキストベースのアプローチに比べて成人学習者の理解と記憶を最大65%向上させることを示しています。視覚的ファシリテーションを活用することで、ラッセルは完全にオンラインのセッションでも高いレベルの学習者間の相互作用を維持できます。これにより、受動的な観察者を能動的な参加者に変えることができます。
人による学習を通じてレジリエンスを構築する
組織が進化する基準から変化する市場環境まで、絶え間ない変化に直面する中、アジャイルでレジリエントなチームの必要性はかつてないほど高まっています。技術的な効率性と人間の洞察力・つながりを組み合わせたトレーニングは、学習者が変化を理解するだけでなく、変化を牽引する能力を養います。
「人は人から学ぶものです」とラッセルは結論付けます。「特に世界が不確実な時代には、人間同士のつながりが大きな差を生みます。それが情報を能力に変えるのです」LRQAでは、たとえデジタルファーストの世界であっても、学習における人間的な側面が最も重要であると信じています。それが、組織が単に適応するだけでなく、繁栄するための支援方法です。
